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ものがたり

浜通り

大川義秋さん

  • 未来デザイナー

箏の音色で伝える思い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キラキラ衣装のこの若者は、和楽器・箏(こと)の演奏者・大川義秋さん。

双葉町の出身です。

伝統的な箏のイメージにとらわれない独自のスタイルで人気を得ています。

 

双葉町が生んだ人気若手箏奏者!

 

 

 

大川さんは、国内の権威あるコンクールで2度の日本一に輝いた実力者! キラキラ衣装で流行のポップスや自作曲を演奏。もちろん古典曲も!独自のスタイルで箏の敷居をグンと下げ、 聴いても、見ても楽しい箏の世界を届けています。

 

 

 

 

 

♪「シンデレラガール」(King & Prince)

 

 

♪「初心LOVE」(なにわ男子)

 

 

 

 

 

 

箏のストリートライブ!?

 

 

 

大川さんを象徴する活動の1つがストリートライブ!

 

箏を気軽に楽しんでほしいと、どんなリクエスト曲も弾いちゃいます。

大川さん「箏っていう普段触れない楽器でも、つながる1つのきっかけだと体感してストリートライブを続けている。」

 

 

 

 

初ストリートライブは18歳。人通りの多い東京のど真ん中で演奏。

しかし、誰からも足を止めてもらえず、大川さんは考えました。

「見た目を変えてみよう!」

 

 

 

 

初のストリートライブは18歳の時。人通りの多い東京のど真ん中で演奏。 しかし誰からも足を止めてもらえず、大川さんは考えました。 「見た目を変えてみよう!」こうして生まれたのがこのキラキラ衣装。 デザインから裁縫まで、すべて自前!

 

傷ついた心を癒した箏

大川さんの地元は福島県双葉町。海沿いの浜通りに位置する町です。

 

 

双葉中学校では仲間たちと吹奏楽に打ち込んでいました。 卒業式を終え、新しい高校生活に胸躍らせていたさなか、東日本大震災が起こりました。

避難先の埼玉県の高校に進学した大川さん。 差別を受ける恐怖、なじみがないでの生活に孤独を感じ、心を閉ざしがちでした。 そんな中、意外な理由で箏と出会います

 

 

 

 

大川さん「(進学した高校は)部活に入らなきゃいけないていう決まりがあったんです。

誰かと話すのが怖くて、部員がいない部活を探していたら、ちょうど1個だけあって、

それが、お箏がある邦楽部でした。」

 

 

それまでなじみがなかった箏。

触れてみるとその優しい音色に魅了されました。

やがて新しい部員も入り、箏を通じて周囲と打ち解けられるようになった大川さん。

大川さん「初めて出会った仲間と音を通じて、こんなにも楽しいと思えるんだなって。

音を出した瞬間はぐっと心に染みるような、支えてくれうような温かい気持ちになった」

 

 

 

 

箏の魅力を伝えたい、誰かの心を救いたいとプロの道に進んだ大川さん。

国内だけでなく、海外にも活動の幅を広げています。

大川さん「海外にはまだ日常的に広まっていない楽器なので、言語の壁を越えて、

心の支え、楽しむ日本の伝統楽器として広めていきたい。」

 

 

福島で伝えたい思い

 

 

 

今年の4月、ふるさと福島の高校を訪ねます。

箏の合奏やリクエスト曲の演奏を楽しみながら、自らの震災体験も語る大川さん。

震災から12年が経ったいま、特に福島の若者に届けたい思いと特別な曲がありました。

 

 

 

 

♪「時の風に乗って」(大川義秋) ノーカット演奏

 

 

 

行く手を阻む風、時に暖かく背中を押す風。

この先、困難にぶつかったとしても、

周囲への感謝を忘れず、希望をもって前を向いてほしいという思いを込めた曲。

 

 

 

 

 

 

「いつの間にか震災から12年の月日が経って、つらかった記憶だけでなくて

自分は周りに感謝できているか?命を大切に思えているか?

自分自身を見つめなおす機会を、お箏の演奏を通じて届けたい。」

 

運命的に箏と出会い、箏に救われた大川義秋さん。

優しい箏の音色できょうも誰かの心を癒しています。

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